木曽檜曲げわっぱ弁当箱の作業工程
曲げわっぱ弁当箱の木地固め
生漆(きるうし)を塗って木地固め(素地固め)をします。
曲げわっぱ弁当箱を丈夫にする欠かせない作業です。
白木地の木目の中まで漆を染み込ませて、木地の変形を防止します。
素地堅めは白木の弁当箱全体にします。
仕切りも素地堅めをします。
曲げわっぱ弁当箱のコクソつけ
木地固めの漆が乾いたら、コクソ下地(生漆と木粉と米糊を混ぜた物)を
曲げわっぱ弁当箱のつなぎ目に付けて補強をします。
職人達はコクソを付ける事を「コクソかい」と言います。
曲げわっぱ弁当箱の底板をはめた境に
コクソをヘラでつけます。(補強作業)
コクソを付け終わった弁当箱です。
コクソの乾燥に一晩待ちます。
曲げわっぱ弁当箱のサビつけ
サビ下地(生漆と地の粉を混ぜた物)をコクソの上などにつけます。
サビ下地を弁当箱の渕と
コクソ下地の上につけます。
弁当箱の渕に行うサビ付け作業です。
専用の道具は職人さんの自作です。
サビ付けをしたら室(むろ)で一晩、乾かします。
サビ下地が乾いた曲げわっぱ弁当箱です。
曲げわっぱ弁当箱の研ぎ
サンドペーパーで錆をつけた場所など全体を研ぎます。
研ぐ事により表面に非常に細かいキズが出来て、漆が乾いた時に剥れ難くなります。
サンドペーパーでの研ぎ作業です。
余分なサビ等を研ぎ落として終わった状態です
曲げわっぱ弁当箱の漆塗り
生漆を刷毛で塗ってから乾く前に専用の布で漆を摺り込みながら拭きます。
摺り込みながら拭くことから「摺漆(すりうるし)」又は「拭き漆(ふきうるし)」と呼びます。
生漆を刷毛で塗ります。
塗った後に摺り込むように余分な漆をとる事から
摺漆(すりうるし)と呼ばれ漆の塗り方です。
漆塗りは1回ではなく、漆を塗って乾かすを何回も繰り返して仕上げます。
漆塗りの乾燥
塗った漆を乾かすために専用の室に入れます。
漆塗りが終わると室に並べて乾かします。
木地固め、コクソ付け、サビ付けと各工程後は
室で乾燥をします。
漆を乾かすには適度な湿度と気温が必要です。
冬場は気温が下がらないように暖房器具が
24時間稼働中です。
漆塗りと乾燥を繰り返す
曲げわっぱ弁当箱は漆塗りと乾燥を何回も繰り返して完成します。
曲げわっぱ弁当箱の品々は、漆器の弁当箱にあります。
漆を重ね塗りする事により、写真のように茶色が濃くなり漆器ならではの光沢がでます。
木と漆の特性で色ムラが起きてしまいますが、それぞれの弁当箱の個性としてお楽しみできます。